片木脳神経外科設備紹介

磁気共鳴断層撮影装置（MRI・MRA）

磁気共鳴イメージングと呼ばれ、強力な磁気を用いて横断面だけでなく縦、斜めと自由な角度で脳を断面で見ることができます。また、CTの様に造影剤を使用しなくても脳の血管を描出することができます(MRA)。

このMRIを利用することで、クモ膜下出血の原因である脳動脈瘤や脳梗塞の原因である頚部や脳の動脈の狭窄などいろいろな脳の病気を発症する前に発見することができ、予防という意味でも有効な検査です。 また、CTに比べて時間がかかる(30分くらい)ことや、発症早期で出血があったとき見えにくい面もありますが、痛みも無く安全な検査です。

シースルーMRI室

シースルー型のMRI室を四国で初めて導入いたしました。（第一回キッズデザイン賞受賞）

従来のMRIは密室構造になっており圧迫感を与えがちでしたが、シースルーになったことにより、小さいお子様は勿論のこと患者様にも家族の方々にも、お互いの顔が見え、安心感を持って検査を受けて頂くことができます。また、操作室側も一面ガラス張りという事で患者様の観察やモニタリングも容易に行うことができます。（調光式ガラスを使用しており、プライバシーを守ることも可能）

マルチスライスCT

CTは早期の出血性病変を診断する重要な検査です。マルチスライスCTでは、後処理によってMRI同様多方向からの画像を見る事ができます。MRAは、血流の乱流などにより、細かい部分の描出には不充分な面がありましたが、マルチスライスCTでは、造影剤を静脈内に注入することにより、高画質な画像が広範囲で短時間に描出されます。特に脳動脈瘤の描出においては、3D画像を作ることにより、あらゆる角度から観察することができます。最近ではこの造影検査のみで手術を行うことも多くなりました。

OPE室専用マルチスライスCT

2008年GE社との共同開発により手術中にCT撮影が可能となるシステムを設置しました。これにより手術の安全性が向上し、手術時間も短縮されることにより、患者様の負担も軽減されました。

血管造影システム

脳の血管を見るには他にCTとMRIがありますが、精度の点ではDSAにはかないません。脳血管撮影の利点はなんと言っても細かい血管まで分かることと、血液の流れる時間的な経過(循環時間)が分かるということです。また、近年飛躍的に進歩を遂げている血管内治療においても欠かすことのできない装置です。

検査は、肘の内側もしくは大腿部の付け根から細いカテーテル(細い管)を動脈の中に通し、頭に行く血管の分岐部で造影剤という薬を流して連続的にX線撮影を行ない、コンピューター処理して３D画像などを作ります。検査自体は数時間かかり、通常は入院が必要です。カテーテルを挿入する検査のため、CT、MRIに比べればやや負担のかかる検査です。

高気圧酸素治療

血液に含まれる酸素の量は大気中の状態では限りがありますが、周囲の圧力を高め、酸素の濃度を高くすることによって、血液中の酸素量を増やすことができます。高気圧酸素治療とは、気密したカプセルの中に、高気圧・高濃度の酸素を吸入し、血液中に多量の酸素を行き渡らせることで、病状の改善を図る治療法です。

特に、年々増加傾向にある脳梗塞では、血管が詰まることにより酸素が届きにくくなっています。高気圧酸素治療によって脳の隅々にまで酸素を送り込むことにより、脳細胞の働きを助け、麻痺の改善に効果を発揮します。また、リハビリテーション効果も高めます。脳梗塞以外にも、血液への酸素供給により急性及び慢性のあらゆる低酸素血症の治療を行います。

当院では、脳神経外科の専門医療機関としていち早く高気圧酸素治療を導入し、薬物療法と併用することにより、高い治療効果を得ています。